チェンマイ現地情報

チェンマイ基礎知識2023,12,02更新

地理

チェンマイはマレー半島の付け根に位置し、ビルマ(ミャンマー)との国境近く(直線距離では国境まで100km少々)に位置する。
南西方面にはタイの最高峰ドイ・インタノン(2556m)、北にはドイ・チェンダオ(2175m)、ドイ・アンカン(1928m)など
2000m級の山々に囲まれ、タイの中では非常に山がちなエリアである。
なお「ドイ」というのは、タイ語で「山」の意味。
また周辺の山々は、亜熱帯性の森林に覆われている。

なおチェンマイ市街は、大雑把には山々に囲まれた盆地に位置しており、街の標高は約300mである。
街から北へ向かうと、ドイ・チェンダオを中心とした山岳地帯。
南も山、東も街のすぐ近くにピン川という川が流れているものの、そのまま進めばやはり程なく山で、とにかく山に囲まれた街である。

旧市街
チェンマイ市街では、堀で囲まれたほぼ正方形の、一般に「旧市街」と呼ばれるエリアが有名。
東西南北を一辺とした形となっており、航空写真(というか Google Earth)で見るとこのようになる。



・・・傾いているが、ちなみにこの写真、東西南北は正確である、つまり街自体が傾いている。
意図してこう造ったのか、何かの間違いだったのかは不明。

なお、堀の一辺は一般に2kmと言われているが(実際には東西南北全てで多少長さが違う)Google Earth で測定すると、
各角の堀の水面部分辺りを基点として計測した場合、各辺ともほぼ1マイル(1.6km)となり、2kmにはならないのだが、
どちらが正しいのか・・・ちなみに歩いてみると、やはり2kmあるようには、個人的にはどうにも思えない。

旧市街を囲む堀には、5つの門がある。
北辺の中央に「チャンプアック門」、西辺の中央に「スアンドーク門」、東辺の中央に「ターペー門」。
南辺のみ、西寄りに「スアンプルン門」、東寄りに「チェンマイ門」と、2つの門がある。
一般には、街のランドマークとなっている「ターペー門」と、賑やかな市場のある「チェンマイ門」が有名。
この辺の位置関係は、こちらの地図で見てみると一目瞭然である。

なお旧市街には、町並保存条例的な規制があり、背の高い建築物(確か5階建て以上は不可)、多数の人が集まる商業施設、
街並みにそぐわない奇抜な建築物等は建てられないことになっているのに加え、むやみに樹を切ってはならないことになっている。

ともあれこの規制によって、チェンマイの街は外に向かって発展していく以外に無く、旧市街は比較的のんびりしたエリアとして取り残されている。
近年これを逆手に取り、旧市街にブティックホテル(シティリゾート?)が相次いで建っているが、
どれも背の低い、街の景観を壊さない様式のもので、箱型のホテルと違った風情が好評を得ているようだ。

旧市街の北
チャンプアック門があり、門の外側に市場もある。門を抜けて北上すると、程なく右手にラチャパット大学があり、スーパーハイウェイに至る。
更に北へ進むと、Four Seasons Resort 他があるメーリム方面、更にメーテン、ドイ・チェンダオ方面、タートンへと向かう。途中で曲がると、パイ、メーホンソン方面へ。

旧市街の西
西はドイ・ステープでどん詰まり。
山の麓、チェンマイ大学近くの「ニマンヘミン通り」(Nimmanhemin Road)界隈の開発が目立つ。このエリアはチェンマイ大学が近いため、学生も多い。
近隣にはコンドミニアムも増え、誰が言っているのか知らないが「チェンマイの青山」などという、
ちょっとというか相当恥ずかしい呼称もあるそうだが、自家用車の急激な普及によって朝夕は渋滞がちである。
メインの「ニマンヘミン通り」から一歩入れば、お洒落なお店が並んでいる。
渋滞が無くなれば、山も近くいいところだろうと思うが、本当の青山ほどではないにしろ、地代は市内でもかなり高い方。

旧市街の南
空港、またその近くにエアポート・プラザと呼ばれる大型ショッピングセンターがあり、特に週末は非常に賑わっている。
方角としては南というより南西だが、そのまま行くと、「ハンドン」というエリア。
一部の人には雑貨で有名らしいこの界隈(「バーン・タワイ」を参照)は、ベッドタウンとしての開発が急速に進んでいる。
当然の帰結として、朝夕の渋滞がひどい。
ハンドンを抜けて進むとサンパトーン、タイの最高峰ドイ・インタノン方面、メーサリアン廻りでメーホンソンへも抜けられる。
なおハンドンからサムーンと呼ばれる方面へ折れてしばらく行くと、Belle Villa Resort 他、大小様々なリゾートがあるエリアとなる。
この辺のリゾートは値段の手頃な小規模リゾートが多いので、リゾートのはしごをしてみると面白い。特に素朴なリゾートが好きな人にはお勧め。
なお、そのリゾートエリアをそのまま進むと、Four Seasons Resort のあるメーリムへと抜けられるが、
かなりすごい山道なので、軽い気持ちで先へ進むと後悔する可能性あり。ただし、なかなかの絶景である。

旧市街の東
ターペー門から東へ、と言いたいところだが、ターペー通りはピン川までは西への一方通行。
川の手前、ターペー通りより南側「チャンクラン通り」は、ナイトバザールで名高かったが、
最近ではニマンヘミン他への店舗流出に加え、2005年には2度の大洪水(何しろ川が近い)で大ダメージを受け、
クーデターで観光客が減り、バーツ高で観光客の消費が減り、政情不安で客が減り、
何よりもサンデーマーケットとサタデーマーケットに客を奪われ、バザール自体は涙目だが、チェンマイ最大のホテル街ではあり、それが救いである。
まあとにかく東へ、川を渡ってしばらく行くとボーサン(地名)、そしてサンカンペーン。
サンカンペーンには「サンカンペーン温泉」があるのだが、いわゆるサンカンペーンの街から確か20キロ以上あり、街のそこらにあると思うと大間違い。
なお、市街から北東方面へ進むと、ドイ・サケットを抜けてウィアンパパオ、チェンライ、メーサイ方面へ。
市街から一旦東へ進み、南へ向かうと、ランプーンやランパーン、バンコク方面へ。イサーン(タイ東北部)方面へも抜けられる。


気候

まず、チェンマイと一口に言っても、山岳地帯もあれば平地もある。
山の気候は場所によって異なるが、平地よりも数段涼しく、天気が変化しやすく、また雨季でも雨の頻度が平地よりも高い。

中心都市である「チェンマイ市」は盆地に位置し、暑季は暑くなりやすいのに加え、
街の西側にはドイ・ステープ(1677m)があり、西からの風を妨げている。
これにより、風向き加減によっては市街の空気が汚染されつつ滞留し、特に埃っぽい乾季は、街全体が霞んで見える場合もある。

加えて盆地であることにより、暑い時期は周辺地域より気温が上がりやすく、場所にもよるだろうが、
最も暑い4月には40度なんぞ普通。
市街地では都市熱も加わるのだろう、2009年末まで住んでいたチェンマイ旧市街内の家での最高気温は、温度計読みで46度。
もちろん一日中日陰の場所で、である。
(現在は郊外の農村在住だが、3年間で38度を超えたことはない)

なお、通年の気候の遷移を大雑把に書くと

1月 : 涼しく快適・朝夕は街中でも息が白くなるほど冷える場合もある
2月 : 概ね涼しい・やや暑い日もある
3月 : 暖かいというかやや暑い・後半はかなり暑い
4月 : 暑過ぎ・中旬下旬は暑さのピーク・死にそう
5月 : 上旬は暑い場合が多い・例年なら上・中旬に雨季入り・雨季に入ると涼しくなる
6月 : 雨季・日によるがまあそこまで暑くはない
7月 : 雨季・日によるがまあそこまで暑くはない
8月 : 雨季・日によるがまあそこまで暑くはない
9月 : 雨季・日によるがまあそこまで暑くはない
10月 : 例年なら中旬・下旬に雨季明け・日によるがまあそこまで暑くはない
11月 : 日によるが非常に快適・朝夕は涼しい場合が多い
12月 : 非常に快適・朝夕は涼しい場合が多い、街中でも息が白くなるほど冷える場合もある

*雨季に晴れると、湿度も加わって非常に蒸し暑い

なお「雨季」というものについて書いておくと、日本の梅雨とは性質がかなり異なる。
当地の雨季は、毎日曇りがちではあるが、日本の梅雨のようにずっと雨が続くわけでは決してなく、
もちろん数日降ることもあるが、んーなんと言うか、思うように書けば「雨の降る時季」であって、まあとにかく梅雨とは違う。
これを理解するには、まず当地の「乾季」を知る必要があるだろう。

日本の気候しか知らない人は理解に苦しむかもしれないが、乾季は雨が降らない。本当に降らない。
通常であれば、まあ乾季中に1回か2回は降ることが多いのだが、年によってはほぼ半年の間、一滴も降らないのだ。
事実、2006年の10月下旬か11月上旬あたりから、2007年の4月下旬まで、少なくとも当時住んでいた旧市街内の家では、
ただの一滴も降らなかった。

これは嘘でも冗談でもない。
つまり、こうした時季を「乾季」と呼ぶのに対しての「雨季」であって、ずっと雨が続く「梅雨」とは性格が甚だ異なっている。

雨季の雨の降り方は、パラパラ降ったり、ザーっと降ったり、という感じで、通常は日本と同じ。
数日降らないことも多々あるし、晴れ間もある。
いつ降ってもおかしくない曇りの日が続き、そして実際に結構頻繁に降る、と考えればいいだろう。

そして時折、比較的短時間ではあるが、日本では台風の時でもあり得ないような、
とにかく激烈な雨が降る、いわゆる「スコール」である。
とにかく、車を運転しているとワイパーなど意味を成さず、馬鹿正直に道の真中に立っていたりした日には、
パンツまで濡れるのに3秒を要すかどうかという激しさで、しばらく続くという観点から、
バケツやタライなんぞをひっくり返したよりも明らかに強力だ。

傘をさしていても、雨粒の大きさと密度の高さとで、飛沫で足元から濡れて来る上に、
風が吹いていたりするともう完全にお手上げ、
無駄な抵抗をするよりも諦めてずぶ濡れになってしまう方が、楽だし楽しいかも、とも思えてしまう。
それゆえか、タイ人はあまり傘というものを使わない、それよりも早めに逃げろ、なのだ。

このスコールには、多くの場合明確な前兆がある。
まず誰が見てもヤバそうな雲が近付いて来て、突風が吹き、雷の音がする。
この時点でタイ人は、普段ののんびりさからは想像出来ない素早さで撤収、雨対策をしているはずなので、
それを見て取ったら、まあ一緒にどこか屋根のある場所に逃げるべきだ。
逆に彼らがのんびり構えているのなら、まあ焦らなくてもいいと思う。(保証はしない)

なお知人によると、猛烈なスコール時に洗髪を試したら、ちゃんとしたシャワーに遜色ない早さで、
シャンプーどころかリンスまで終えることが出来たという。
きっとヘタな恋愛などより余程長く記憶に残るだろう、是非検証してみて頂きたい。

ちなみにだが、チェンマイを旅するのに最も適しているのは、明らかに「11月」である。
毎日が穏やかな晴天、暑くも寒くもない、雨季明けで緑が美しく、乾季の中盤以降のように埃っぽくない、しかも旅行者が少ない。
12月も気候的に悪くはないが、祭日の関係で上旬からどこも混みあって来るのに加え、
そのまま年末まで観光客が増え続け、しかもハイシーズンなので、とにかく何かと高くつく、朝夕が寒い日も多くなる。
結論、11月が最高♪♪

歴史

まずタイの人々のルーツは、その血・文化とも、現在の中国雲南省南部・西双版納(シーサンパンナー)
タイ族自治州に由来している。
その地ではタイ系民族は全て少数民族扱いであるが、現在のタイに住む少数民族の多くも西双版納に存在しており、
現在のタイの文字より古い、よりオリジナルに近いタイ文字の新聞を読んで暮らしている。
つまり、その地から徐々に南下し、その内現在のタイ領に定着し、しかもいつの間にか北へ戻る道は、
クメールとビルマとラオスによって塞がれてしまった、そんな感じのタイの人々である。

なお当然ながら、ソンクラン(水掛け祭り)、ロイクラトン(灯篭流し)、タイ文字、どれも西双版納が発祥のものである。
タイ式の仏塔もそうで、西双版納の州都・景洪(ジンホン)から、南に60キロ程行った
モンロン(漢字表記不可:ロンは龍の簡体字)という街の外れに、現存する最古のタイ式仏塔が建っている。

さて、チェンマイの建都は1296年、メンラーイ王による。
チェンマイの前の王都は、近年発掘された「ウィアンクムカーム遺跡」であったらしい。

・・・この辺の歴史に関しては、もっと詳しい資料が多数あるようなので割愛。

1つだけ、なぜチェンマイが「タイ第二の都市」と言われることがあるのかについて述べておく。
タイ北部の王朝は、クメール帝国から逃れるように成立したものの、チェンマイとその周辺の地域は、
豊かな土地であったが故に、今度は西のビルマに度々侵され、一時はビルマ領とされたりもした。
しかしその後も王朝はなんとか存続し、「ランナー」と呼ばれるゆるやかな国というか地域を形作っていたが、
それが後に「タイ」に吸収、というか併合された。
そしてその併合は1939年、つまり第二次世界大戦が始まった年の話であるから、歴史的には本当につい最近のことである。
こうした経緯を踏まえて、「旧ランナー」の中心都市であるチェンマイを、「タイ第二の都市」と呼ぶことがあるわけだ。

なおチェンマイという街は、世界遺産となっているスコータイ同様の長い歴史を持つ。
スコータイは、かつて人が住み、その後人が住まなくなった街。
チェンマイは、人が住み続けて現代に至った街であり、そのため近代的な建物の合間に、古い仏塔がひょっこり建っていたりする。

人口

「チェンマイ」とは、市の名前でもあり、県の名前でもある。
つまり、単に「チェンマイ」と言われても、市か県かが判らないのだが、多くの場合は「チェンマイ市」のことを指している。
(のだと思う)

この市・県双方の名称であることから、チェンマイの人口については、結構間違い等が多い気がする。

チェンマイ市の人口について「100万都市」等となっているものを何度も見たことがあるが、
チェンマイ市の人口はせいぜい20万人(領事館のサイトによると、2005年末で15万人+α、
某英語サイトでは17万人+αとなっている)であり、どちらにしろ日本の地方の中小都市程度である。

チェンマイが「タイ第二の都市」とされている場合があるが、これはあくまで歴史等を考慮した情緒的な表現
(「チェンマイの歴史」を参照)であって、人口的には2位どころか、3位でも4位でも、5位でさえもない。

チェンマイ県としての人口は160万人を超えているので、まあ勘違いも有り得るのだろうが、
ある日本の大学のサイトに至っては、なんと「目覚しい発展を続ける300万都市」とはっきりと記しており
(しかも留学情報にだ)、こうなるともはや正確な人口よりも、その勘違いのプロセスの方を教えて欲しくなる。

ちなみにこの辺の統計、タイには住民票制度が存在しないために、結局は非常なドンブリ勘定である。
実際、資料によって優に数万人程度の開きがあり、正確な人口は、きっと誰も知らない。

観光

率直に、チェンマイという街は、市内の名所というのは寺院がほとんどである。
他に考えられるのは博物館や動物園等だが、博物館を訪れる旅行者は非常に少なく、
動物園もパンダがいると言ってはみても、それは日本の動物園にだって結構いる上に、動物の種類も日本の方が多いので、
これまた難しいところである・・・というか明らかに決め手にはなり得ない。

誤解を恐れず言うと、チェンマイは観光都市と言われるものの、市内に見所があるそれではなく、
郊外を見に行くための「拠点としての観光都市」である。
行動範囲を大きく考えれば、寺院はもちろん、遺跡、少数民族、景勝地と、見所が非常に多くなり、一気に選択に困るほどになる。

多くの旅行者にとって、チェンマイを訪れるのは、生涯でその旅行の1度きりだろう。
ならば少し下調べをして、面白そうなものが見つかったら、チェンマイでの日程を多めにとっておくとよい。
チェンマイから足を伸ばせる場所、例えばメーホンソン、チェンライに国境のメーサイ、ゴールデントライアングル、
場合によってはスコータイ、どれも近くはなく、日帰りは相当に無理があり、2日や3日の滞在では、
せいぜいそれらの1つ、無理して2つ、あとはお寺を1つか2つ観て終わってしまうだろう。
ともあれ堪能するコツは、とにかく「日程に余裕を」である。

あと近年、市内にナイトサファリが出来たが、率直に、昼間行くと非常にいい。
適度な距離で、のんびりと歩けて、草花も珍しいものが多く、もちろん動物も多数、
うっかり道やトイレに孔雀や鹿や鳥がいたりして、特にお子さん連れの方には非常にお勧めである。

夜は・・・実は私は行ったことが無いのだが、理由はタイ人の知人の反応がいまいちだったからだ。
なんでも、なかなか動物が見えない、見えても遠いし暗いしよく見えない、なのに入場料が高い、
そもそも車に乗っているだけでつまらない、等の理由だった・・・
何とも散々な言われようであるが、まあそのうち一度は行っておこうかな。
あと、このナイトサファリ、実は宿泊も出来る。

なお、チェンマイを訪れるのに適した時期だが、多くの日本人が訪れるのは、
どうしても4月~5月のGW、8月のお盆前後、そして年末年始であり、当然と言えば当然だが、日本の長期休暇と一致する。
しかしGW前後は暑さのため、お盆前後は雨季真っ只中のため、訪問には適さないと言える。
年末年始は、旅行者が多いのと、ハイシーズン料金で宿泊等が混み合い、
チケットやホテルの料金が高くなるが、いい時期である。ただ朝夕は結構冷える場合が多い。
(ただし冷えるとは言っても、何年も住んでいると、半袖だと少し肌寒い程度でも「寒い」とか言っていたり、
気温が15度切った程度で「死ぬ!」と騒いだりしているので、まあその程度と言えばその程度である)

結論として、気候としては11月が最高で、次が12月、1月、つまり「暑くなる前の乾季」であろう、
この辺は「気候」のページを参照して頂きたい。
*当然乾季は後半ほど埃っぽくなる。こういう意味でも、11月・12月がいいわけだ。

気候以外に、イベントも大きな要素であろう、個人的には「ロイクラトン」が最も好きだが、
奇遇にもこれは11月、やはり11月がお勧め。
イベントは、そのうち「イベント・お祭り」の項目を作ってそこで述べよう。

なお、最も旅行者の少ない時期は6月から7月の上旬だが、その時期は、ずばりフルーツシーズン。
この時期でないと食べられないフルーツが非常に多くあり、食を楽しみにしている人であれば、
この時期を逃すとは、何とももったいない話である。
何しろ、普通の料理ならまあいつ来ても食べられるだろうが、フルーツだけはそうはいかない。
これはまもなくできるであろう「食」の項目で述べよう。

言葉

当たり前と言えば当たり前だが、チェンマイで話されている言葉はタイ語である。
「カム・ムアン」といわれる北タイ方言があるものの、あなたが標準的なタイ語が「ちゃんと」話せるとすれば、
相手はそれを理解してくれるだろう、なにせテレビは通常は標準的タイ語で放映しているのだから、全く通じないことは少ないと思われる。
ただし「相手が話す事をあなたがちゃんと理解出来るか」となると、方言のため、それは非常に危うい。
まあこれは同じタイ人でもかなり困るらしいから、このことで自分のタイ語力に自信を無くさなくてもいい。たぶん。

まあこの辺は、日本でも似たようなものだろう。
私の場合だと、初めて関西に行った時は本当に参ったし、地元近くの漁師町でも負けず劣らず解らなかったので、
どこの国でもその程度の方言による混乱はあるのだろう。
しかもタイは、日本の約1,6倍の国土、70の県があり、4つの国と陸で国境を接しているのだから、それを加味して考えてみると、
北タイ方言と標準的タイ語との差異は、特筆する程のものではないだろう。
北京語に対する広東語、コテコテの津軽弁やら琉球弁あたりを想像してみると、可愛いらしい程度のものである。

なお北部少数民族の言葉はタイ語とは全く別であり、民族ごとに異なる。更にパロン語以外は基本的に文字が無いようで、
話し言葉のみである。
しかし最近は、少数民族であっても、高齢者以外はタイ語も話せる(学校で習う)ので、
通常はタイ語で意思の疎通が出来るはずだ・・・ただし訛りに関しては知らん。

旅での言葉
普通に英語で何とかなるはずだ、旅行者がよく訪れる場所なら、結構英語が通じる。
日本語は一般には厳しいだろうが、チェンマイだとなぜか結構できる(現地の)人がいたりして驚く。
逆に、日本語で話していても解っている人もいるということなので、気を付けること。
タイ語は、多少覚えていると楽しいかもしれない、多少でも話せると、地元の人も喜ぶ。
英語の通じないような田舎や、マイナーな場所に行くのなら、まあタイ語は出来ないと困るだろうが、
それでも片言の英語と身振り手振り、絵を描いたり(笑)で何とかなってしまうのが、タイの素敵なところ。

生活にタイ語は必要か
別に無理に覚えなくても何とかなる。たぶん。
根拠は、もう10年以上タイに住んでいるのに、私自信が全く出来ないから。
嘘ではなく、ほぼ全く話せないし、全く読めない。特に覚える意思も無い。(挨拶や注文くらいはできるけど)
それでも普通に生活できているので、これに反論されても困る。
そんな私が、チェンマイでもう10年近く会社を経営しているわけで、まあビジネスについても推して知るべし。

参考までに、欧米人とタイ人の夫婦・カップルの場合は、私の知る限りでは、普段の会話は英語ばかりだ。
まあ英語は会話の道具としては便利なので、そうなるのは納得出来る。つまり共通語的な利用である。
簡単に言えば、まず欧米人は、英語が母国語でない場合でも多少は英語は習っているだろう。
これはタイ人側も多くの場合同様だから、両者の習熟の程度に違いがあっても、お互いが多少理解に努めれば、
結構なんとかなってしまうわけだ。
つまり、両者ともゼロから言語を習熟する必要が無いので、コミュニケーションを確立する手段として、非常に合理的である。

対して、日本人とタイ人の夫婦・カップルの場合、普段の会話はタイ語が多いようだ。
先述と同じ理由で、英語でもいいはずなのだが、なぜだろう・・・と、まあそんなことは人の勝手だし、どうでもいいか。

宿泊

ホテルとGHの境界は非常に曖昧で、経営者がホテルを名乗ればホテルとなり、
GHを名乗ればGHとなるのだが、もちろんホテルと名の付く方が、全般的に豪華で、宿泊費用も高い。
しかし、高いGHなら1泊1000B以上する所もあり、かと思えば500B程で泊まれるホテルもあったりする。
またコンドミニアムやサービスアパートの中にも、1日単位で宿泊可能なところもあり、
(法的に問題があるところもあるようだが)更に選択肢を増やしてくれる。
ホテルの中でも特に高級なところは、ほぼ例外無くリゾートホテルになるが、当然ながら郊外に多く、
市街より北へしばらく行ったメーリム方面と、南西のハンドン方面に集中しており、かなりの山中に位置するものもある。

ホテル
市内には、多数のいわゆる「普通のホテル」(シティホテル)の他、「ブティックホテル」と呼ばれるタイプのホテルや、
「シティリゾート」と分類?されるホテルが何件かある。
以下は私なりの分類・解釈であるが、恐らく大きな見当違いはしていないと思われる。

普通のホテル(シティホテル)
主に立地や機能性、合理性、サービス等に主眼を置くホテルであり、エレベーターで上の階へ行き、
各階の廊下沿いに部屋が並ぶ、といった、一般に「ホテル」と訊いて連想するそれである。
敷地は多くの場合、駐車場と、庭園等はあったとしても多少である。屋上または特定のフロアがプールになっている場合が多く、
敷地は必要十分程度の場合が多い。

ブティックホテル
「普通のホテル」よりも小規模で、部屋数も10~20程度と少ない場合が多く、数部屋しかないところも。
また建物の構造が独特であったり洒落ていたりと、何かしらのコンセプトに基づいて設計され、
インテリア・アメニティも特徴的で凝ったものが多く、主に市街地にありながら「隠れ家的な」「アットホームな」
といったイメージで顧客に訴求する。

リゾートホテル
多くの場合広大な敷地を有し、球場程度の広さはザラ。一般的に、施設は面積を贅沢に使った低層建築であり、
広いプール・庭園は当然、川辺や渓谷、池、農園等を包含するところもある。一般に部屋数は多くはないが、
スペースはとにかく余裕があり、部屋が個別の棟になっている場合や、
部屋までの移動がレセプションから車でしばらくかかったりと面食らうことも。当然ながら多くは郊外にある。

シティリゾート
市内でありながら、リゾートホテルに近い環境を提供。
市内でも、せっかくならリゾートホテル・ブティックホテルに
せっかくの旅行で訪れたのなら、チェンマイに限らず、非日常的なホテルに泊まってみるのがいいと思うのだが、いかがだろうか。
チンマイには、ホリデー インやシャングリラ、ル メリディアン等、名の通ったホテルもある。
しかし、確かにそれらは高級ホテルではあるのかもしれないが、はたして印象に残る滞在になるのだろうか。
せっかくなら、日本ではなかなか泊まる機会の無いようなところに滞在してみてはいかがだろう、
特に旧市街には、手軽な値段で泊まれるところもある。
見ただけではっとするようなお洒落なホテルが多く、そしていつの間にこんなに増えたのか、あらためて驚いた。

GH(ゲストハウス)
GHというのは、まあ一般的にホテルよりも数段安い宿泊施設を指すのだが、GHと名が付いていても、
ヘタなホテルよりも値が張るところもある。(私の知る限りでも、一泊5000B近いところがある:内容は結構なリゾートだ)
まあホテルとGHの区分は厳密なものではなく、単にオーナーがどう名付けたかなのだが、
まあとにかく安いホテルとGHの協会は曖昧だが、一般的にGHは多くの場合安く、1泊100Bそこそこから探すことができるだろう。
当然ながら部屋やサービスは値段なり。安い所ではトイレ・シャワーが共同だったりもするので、
その辺を納得して受け入れることができる人が泊まるところだ。

最後に、私も含め、チェンマイに住んでいる人に、チェンマイのホテル・GH等に詳しい人はあまりいない。
(泊まったことも無いのに「詳しい」とか言っちゃうような人は当然除外)
理由は簡単、自分の家があるのに、同じ街のホテルにあちこち泊まりに行く奇特な人は滅多にいないというだけだ。
たとえ泊まってみたとしても、1~2年も経てば古い情報でしかなくなり、あまり「今」の参考にはならない。
そんなこんなで、在住者にいいホテルを訊くというのは案外ナンセンスなんである、
恐らく一番詳しいのは、頻繁に訪問・滞在を繰り返している旅行者だろう。

温泉

チェンマイ周辺・北タイの温泉
日本人にはありがたいことに、タイ北部には多くの温泉がある。
がしかし、先に言っておこう、間違っても日本から旅行で訪れた人が行くところではない、
そもそも温泉に入るという文化が無い上に、根本的に温かい土地なものだから扱いもぞんざいできれいでもなく、
日本人から見ると逆立ちしても有効活用しているとは思えない…
まあ日本的有効活用をしたところで、日本人しか来ないと思うのでしかたがないのだが。

さてその前に、なぜタイ北部に多くの温泉があるのかを述べておきたい。
というか、温泉にご執心な在住日本人はそれなりにいるようなのだが、
この点についての考察を聞いたことがないのはどういうわけだろう…というのは、
北タイ及びその周辺には火山が全く無いのに、数多くの温泉があるのだ、普通は不思議に思いそうなものだが。

結論から述べると、タイ北部に分布する温泉は非火山性のものであり、マグマ等とは別の熱源によって生じている。
地下深くに分厚い花崗岩の層があって、まあ花崗岩というのは火山岩である流紋岩が深成岩化したものなので
火山活動の名残りといえば名残りなのだが、にしてもその花崗岩の成立は2~4億年は前という古いものらしい、
つまり三葉虫やフズリナのいた時代である。

肝心の熱源だが、その花崗岩及びその辺の時代の深成岩が含有する放射性物質の自然崩壊熱によるものが主のようだ。
御影石に代表される花崗岩が結構な量の放射線を放っているというのは日本人なら誰でも知っていると思うが、
まあそれと同じである、それが地下深くにかなりの量が存在し、地下数キロでは数百度の熱を有しており、
そこを通る水が温泉と化して地表に湧き出ているというわけだ。

まあとにかく、北タイの温泉は一種の原子力で沸いたものである。心して入るべし。

温泉地
さて具体的な温泉地であるが、一番の有名どころはサンカンペーン温泉だ。なにせそれなりに整備されており、
古くから開発されている公営の温泉なので知名度も高い。泉質は硫黄泉っぽく、かなり硫黄臭がするのに加え、
ぬめりを感じる程に濃厚。非常に体が温まるが、寒い時期はいいものの、暑い時期には温まり過ぎだろうとも思う。
すぐ隣には私営のルンアルン温泉もある。共に市内から30キロ以上あるので、個人で行くのなら最低でも
バイクが無いと気軽には行けない。というか普通に車で行くべき、いくらなんでも湯冷めするだろ。

もうひとつ、やはり市内から30キロ程のところにあるドイ・サケット温泉。
以前は、それはもう鄙びたなんじゃこりゃ?な温泉だったが、2014年現在、そこそこ施設が出来てきている。
泉質は…まあ詳しくは知らないが、サンカンペーン温泉に比べると非常にあっさりしたというか淡白な泉質であり、
過度に体が温まりはしないので、暑い時期にお勧めかと。

上記以外は、チェンマイ市内からであれば、在住者でも気軽に行ける範囲を超えるのではないかと思う。
理由は、単純に距離が遠かったり、あまりに山奥であったり、入浴設備が無かったり、
それらの複合であったりとまあ色々だが、好きな人はそれなりに行ってみているようだ。

あと日本人には厳しいのが、水着を着て入れと言われるところがある。まあ文化の違いなのはわかるが私は敬遠する。
そこまでして温泉に入りたいわけではないので。

ビザ

日本人旅行者は、タイ入国時に、空路で到着の場合は30日、陸路入国の場合は15日の滞在許可がもらえる。
その日数以内の滞在であればビザは基本的に不要であるので、まあ通常の旅行はビザ無しで問題無いのではないだろうか。
なおビザ無しで入国し、滞在を延長したい場合は、イミグレーションで延長してもらえるが、
1900Bで7日間しかもらえないので、滞在が長くなるのが明らかな場合は、ビザを取得して来た方が合理的ではある。

長期の旅行の場合は、出発前にタイ大使館(領事館)で「旅行者ビザ」(通称:ツーリストビザ)を取得する。
シングル・ダブル・トリプルがあるが、例えばシングルの場合、入国後60日の滞在が許可され、
期限が切れる前にイミグレーションで延長手続き(1900B)を行えば、更に30日の延長が可能である。
ダブル等になると、いったん出国して再度入国した際に、また60日の滞在許可が得られる。なお延長は、
入国ごとに30日までなので、例えばダブルのビザでの最大の滞在は、

1回目入国(60日)
1回目延長(30日)
--- 一旦出国 ---
2回目入国(60日)
2回目延長(30日)
----------------
合計:180日

となる。
途中の出国は必須であり、出国せずに180日の滞在は出来ないので注意。
旅行目的以外のビザ
旅行目的以外のビザを大雑把に分けると、

◆就労ビザ( Non-Immigrant B )- ビジネスビザとも呼ばれている
◆就労者家族ビザ( Non-Immigrant O )
◆タイ国籍者の配偶者及び子供ビザ( Non-Immigrant O )
◆留学ビザ( Non-Immigrant ED )
◆年金ビザ( Non-Immigrant O )
◆ロングステイビザ( Non-Immigrant O-A )
◆永住ビザ

とまあ、こんなところであろう。
他に、外交ビザやメディアビザ、ボランティアビザ等がある。
ともあれ、目的に合致したビザを申請し、取得すればよい。 各ビザの取得用件・費用等は結構頻繁に変更になるので、
在日タイ大使館を確認してください。

働く

タイ国籍でない限り、就労には「労働許可証」(ワーキングパーミット)が必ず必要。
タイ人と結婚しようが、永住ビザを取ろうが、そんなことは関係無い。
つまりタイ国籍でない限りは「労働許可証」無しでは就労出来ないので注意。

「労働許可証」は基本的に就労ビザ保有者に対して発行される物だが、ややこしいことに、「就労ビザの取得」と
「労働許可証の取得」は別であり、就労ビザが取れたからといって、必ず労働許可証が取れるわけではない。
管轄の役所自体が全く別、ビザの管轄はイミグレーション、労働許可証は労働省、
そして両者は事務的に連携していない上に、オフィスの場所も全く別。

就労ビザは在外の領事館等で結構簡単に(?)取れるが、労働許可証は雇用主(会社)の実態等が細かく問われるので、
「就労ビザは取れたのに労働許可証がもらえない」というのは稀なことではない。

なお就労ビザも労働許可証も、申請は雇用者側の書類が多数必要であり、個人として取れるものではないので、
先に就職先を探すか、法人設立なら会社登記を済ませ、それから、となる。

就職先については、現地での日本人の募集は非常に少ない上に、求人があっても、既に就労している者の中で話が回り、
転職希望者があればその辺で決まってしまうことが多い。つまり求人があっても知りにくいのが現状で、
特に好条件の求人が広く知られることは非常に稀である。

起業(法人登記)については・・・既存法人があって、チェンマイに現地法人を設立する場合は割愛。
個人がチェンマイで起業する場合、恐らく多くの場合は金銭的利益を最優先としてはいないと思われる。
日本や欧米で起業した方が、利益は大きいだろうし、諸手続きや事業展開の壁も低いだろうからだ。
私の見てきた中でも、「何とかしてチェンマイに住みたい」等、金銭的利益以外にも目指すものがあって、
思案選択の結果として起業に至る場合が明らかに多い。
まあ私はコンサルタントでも何でもないので、要件等詳しくはここでは割愛する。

個人の起業に対してひとつ言いたいのだが、起業してもすぐに消えてしまう人(会社)が非常に多い。
起業はゴールではない。
目標を持ち、その実現のために起業を決意をして、資金を用意し、会社を設立し、ビザも労働許可も、
オフィス・店舗・社員等も全て準備し、看板をかけ、名刺を作って配ってみても、テストで言えばやっと
「名前を書いただけ」の白紙答案、つまり「0点」である。
そんなものは、なんの評価にも値しなければ、耳を傾けるにも値しない。
名前を書き、合格点を取り、その後もそれを継続することが出来て、やっと最低限の当初の目標達成。
事業の継続はもちろん、どうせやるなら是非、高得点を目指して頂きたい。

住む

「住む」となると、旅とはまた違う観点から、より多くのことを考察する必要がある。
なお私の勝手な区分では、半年未満程度の短期の滞在は、余程その後、
長期間滞在を継続する意思でもない限りは、通常の旅行である。
つまりその程度の短期間滞在者は、本質的に旅行者であると私は考えている。
2週間で云々としている団体もあるようだが、私はそれは単に市場を大きく見せたいという
商業的都合による定義でしかないと解釈している。悪しからず。

まあまず、手っ取り早く日本人がチェンマイに「住む」場合のパターン分けをすると、
公館職員、企業駐在員等及びその子女
自由意志での現地就職者や自営業者、及びその子女
留学生
国際結婚の結果としての居住
ロングステイビザによる長期滞在
その他
国際結婚後に自営を始めた等、中間的なパターンもあるだろうが、概ね以上のどれかに当てはまると思われる。
居住には当然適切なビザを取得する必要があるが、詳しくはビザの項に譲る。

住むのは難しいのか

最初に、単純に「チェンマイに住む」ということの難易度を述べておこう。(仕事をしつつ、ではなく)
はっきり言って
「バイタリティーがあり、五体満足で、教育を受けた日本人であれば、問題無く快適に生活できる」程に簡単だ。
チェンマイで問題無く生活できないようなら、他の国はどこもより一層無理だろうから、
適性が無いと考えて海外暮らしなど諦めた方がいい、その程度の話である。

付き合う相手はきちんと選ぼう

ずばり書いておくと、既にチェンマイに住んでいる邦人のうち、
特に「ロングステイ」で来ている人達は、基本的に毎日がお休み状態。
当然の流れとして、暇を持て余している人も多い。
別にそれ自体は何も問題は無いのだが、一部には、新参の邦人と見るや、
用も無いのに喜び勇んで寄って来ては話しかけ、先輩面をして説教じみたチェンマイのノウハウ?(笑)
を語ってくれるおかしな輩もいるようだ。
そういう人は、さもチェンマイに住むことが難しそうに、さも自分が大したことをしているかのように、
とにかく大仰に話をしてくれるのだが、結局当人の目的は自尊心の愛撫(つまり自慰行為)と暇潰し、
または相手をからかっているだけ、もしくは本当にア○マが【ピー】かなので、
そんな輩の話に付き合う方が愚かというものである。
またそういう輩は、やたらと「情報」やら「人脈」やらをひけらかしたがるようだが、
そういう人間こそ信用してはいけないというのは、日本でもチェンマイでも同じ。関わらないが吉である。

なお、まっとうな相手ならば、当然上記のような振る舞いはしないだろう。
要は「相手を見極めろ」ということで、見極め方は日本と同じ、そして決して
「海外で会った数少ない邦人だから」などという理由で基準を緩めて考えるべきではない。
そんなことをしていては、トラブルや、不快な目に遭う可能性を自ら高めるだけである。
まあとにかく、誰彼構わず付き合うなという意味ではないので、その点は理解して頂きたい。

もし本当に先達としての邦人在住者の話を聞きたいのなら、せめて10年以上は継続して住んでいる人に聞くべきだ。
しかし、そうした人達はほぼ例外無く、誰かと関わらなくても困らない生活力を持ちつつ、
既に生活を充分に楽しめている人ばかりで、更に郊外に居を構え、車で移動し、日本人だけで固まらず、
日本人の多い場所は避ける傾向がある。実はこれはかなり明確だ。

理由は簡単、小学生でも解る話だが、聞く方は初めてでも、話す方は「またか・・・」でしかない以上、
誰でもそのうち鬱陶しくなってくる上に、何かにつけ頼られることが多くなりがちで、
律儀に付き合っていると度々時間を奪われる羽目に遭う。
つまり、客商売でもしていない限り、多くの邦人と関わることがデメリットになってしまうのだ。

当然の帰結として、長く住んでいる人ほど、あまり日本人の目に触れない、というパターンが成立している。
そういう人達は目立つ場には出たがらない上に、多くの邦人との接触を望んでいないのだから、
知り合う機会はなかなか無いだろうし、避けられる可能性も高い。
上でも少し書いたように、あなたには付き合う相手を選ぶ権利があるわけだが、
相手にも誰と付き合うかを選ぶ権利がある以上、取り合ってもらえなくても文句を言ってはいけない、
先方にも先方なりの事情や意図があるのだから。
まあしかし、ある程度長く住み、それなりに暮らしていると、然るべき人とは然るべく知り合うものだ。

マスコミの情報は偏っている

前述の通り、チェンマイに長く暮らし、望む生活を送る人の多くは、郊外に居を構え、むやみに人前には出ない。
もちろんマスコミの取材を受けるようなことはしないだろう、そんなことをしては、
出演で得られる多少の小銭よりも、失うものの方が遥かに大きいからだ。

逆に考えると、日本のマスコミで取り上げられている時点で、出演者の立ち居地が判るということでもある。
殆どが「市内の便利な立地のコンドミニアムで~」とか・・・まあ現実としてそういう人も少なくはないんだろうが、
そんなのばかり取り上げていたら、情報として偏り過ぎなのは明らか。
ともあれ、マスコミは結果的に、チェンマイ在留邦人の一部の層しか取り上げることができずにおり、
特に在留期間の長い、本当に自在に暮らしている人達を取り上げることはできていないと考えていいだろう。

住居

住居は当然ながら、一軒家か、それ以外となる。
タイ人との国際結婚の方を除けば、在住者でも買い取りで住んでいる人は多くはないので、賃貸を主に述べたい。

さて、せっかくチェンマイに住むのであれば、私は一軒家を薦める。それも庭のある大きな家をだ。
恐らくチェンマイという場所は、世界でも稀な程に豊かな土地である。
放っておくだけで木はぐんぐん育ち、花が咲き、果物が処分に困る程に実る。

日本のワンルームマンションの家賃に毛が生えたような値段で、500坪、1000坪クラスの庭付きの家が借りられるのだから、
わざわざチェンマイくんだりまでやって来て、それを楽しまない手は無いと思うのだが、いかがだろうか。
それでもなお集合住宅を好む人には、何も言うことは無いが。

しかし、一軒家に住んではみたいものの、渋々集合住宅に住んでいる人も少なからずいるとも耳にする。
それは以下のような理由らしいのだが・・・取るに足らない事ばかりなので、各々に対する私のツッコミと合わせて羅列しておく。

◆維持管理が大変
自分だけで手に余るようなら、臨機応変に人に頼むなりしなさいよ・その程度も自力で何とか出来ないとか自信が無いとか、
根本的に外国に住む適性あるの?

◆セキュリティが心配
集合住宅とそんなに大差あると思ってるの?しかも住む場所次第でひっくり返ることもあるよ?
・対策のしようもあるでしょう?・そんなに心配なら日本に帰った方が安心では?

◆家賃が高い
明らかに日本よりも格段に安いよ?・それに、2ベッドルームの100M~2もない集合住宅に月2万B出すのと、
3ベッドルーム500坪の家に2万B出すのと、どっちが充実した生活が送れそう?・焼肉、庭で炭火で食べた方が圧倒的に旨いよ?
炭火が10なら、ガスが5、ホットプレートが0.5ってとこ

◆~さんの勧めで云々
こんなとこにやって来てまで他人に流されるのって、もうどんだけぇ~(略
まあ「家賃が高い」以外は、「頼りねえなぁ,,,」の一言。
所詮は挑戦してみる事もできないヘタレっぷりをごまかすため、体のいい言い訳をしているだけなので、
情けなくて聞くに堪えない。いつから日本人はこんなにヘタレになったんだ。
なお、欧米人の居住者は、明らかに一軒家が多数派。